「超」入門 失敗の本質 鈴木博毅②


テーマ:なぜ「日本的思考」では変化に対応できないのか

●ゲームのルールを変えた者だけが勝つ

○練磨の文化を持つ日本と日本人の美点

・日本人は「練磨」の文化と精神を持ち、独自の行動様式から、特定の分野で素晴らしい強みを発揮できる民族である。

・日本の戦後経済の発展は「モノづくりの文化」が支えたといわれるが、改善を続けることで生まれる洗練は、日本人が民族的文化として持つ美点の一つ。

○型を反復練習することで、型を超えるという発想

・日本軍のもう訓練・猛反復による精強さはある種、日本のサムライ、武士の日本刀と剣術稽古にイメージが重なる。猛訓練により反復し、気が遠くなるほどけいこを繰り返すことで、やがて本人が体で技を覚え、最後には「型をマスターすることで型から離れ」剣術の達人になっていく。

○操縦技能、射撃制度を極限まで追求した日本人

・驚異的な技能を持つ達人の養成に、日本軍はかなりの力を注ぎ、実際に戦果も挙げた。しかし、兵員練度の極限までの追及は、精神主義と混在することで、後の日本軍の軍事技術・戦略の軽視につながったと指摘されている。

○当たらなくても撃墜できる兵器をつくったアメリカ人

・米軍は「達人を不要とするシステム」で日本軍に対抗した。達人ではなく「システム思考」的な方向へ、先頭を段階的に転換させた。

・「命中精度を極限まで追求しなくても勝ててしまう」という発想も、日本軍の想定する「猛訓練による達人の命中精度」が勝敗を決める船上とはあまりにも異なる世界観である。

・米軍側が「ゲームのルールを変えた」ことで、勝利につながる要素も変化した。

・ビジネスでゲームのルールを変えるのは、常にアメリカ企業であり、日本企業がそのルール変更に翻弄される姿は、名機ゼロ戦の苦戦とも重なる。

○日本人の苦手な、大きく劇的な変化を生み出すもの

・「一つのアイデアを洗練させていく」ことが得意な日本人は、小さな改善、改良を連続的に行うことで既存の延長線上にある成果を上げることに成功しやすい。

・改善を継続することで「小さな変化」を洗練させていく日本軍は、「劇的な変化」を生み出す米軍に、ゲームのルールを変えられて敗退したと考えられる。

○「ゲームのルール変化」に弱い日本組織の仕組み

・現代日本企業の弱点

①    前提条件が崩れると、新しい戦略が策定できない

②    新しい概念を創造し、それを活用するという学習法のなさ

③    目標のための組織ではなく、組織のための目標をつくりがち

④    異質性や異端を排除しようとする集団文化

・モノづくり大国として「高い生産性」と「高品質」を武器に世界市場を席巻した日本製品が、現在では製品単体の性能でなく「ビジネスモデル戦略」で敗退している。

・日本は一つのアイデアを洗練させていく練磨の文化。しかし、閉塞感を打破するには、ゲームのルールを変えるような、劇的な変化を起こす必要がある。

●達人も創造的破壊には敗れる

○創造的破壊を生み出す3つの要素

①ヒトによる創造的破壊

②技術による創造的破壊

③運用方法による創造的破壊

○「ヒト」の柔軟な活用が米軍の勝利を生み出した

・米軍は技術研究者の自主性・独立性を強く尊重することで、彼らの才能を最大限に発揮させた。一方の日本軍は、権威によって現場や優れた技術者を抑圧し、トップの考えたことが正しいという主張を繰り返し、自由を認めなかった。

○「新しい技術」が戦局を変える変化を生み出した。

・注目すべきは、米軍が開発した新エンジンが飛行速度を保ちながら「重武装・高い防弾性」を可能にしたことで、空戦の勝敗を決定する要因〈指標〉が変わり、零戦が敗れた点。

○相手が積み重ねた努力を無駄にする仕組み

・同じルールではなくルール自体を変えてしまえば、圧倒的に有利な状況を作り出せる。

・創造的破壊を生み出す三つの要素

①    「ヒトと組織」の極めて柔軟な活用による自己革新

②    「新技術」の開発による自己革新

③    技術だけではなく「技術の運用」による自己革新

・既存の枠組みを超えて「達人の努力を無効にする」革新型の組織は、「人」「技術」「技術の運用」の3つの創造的破壊により、ゲームのルールを根底から変えてしまう。

●プロセス改善だけでは、問題を解決できなくなる

○日本軍の知識を強化する学習

・仮にプロセス=「過程・経過」と考えると、過程を洗練させる「プロセス改善」とはスタートラインとなる「思想・手法」をそのままに、その過程を最大限改良することで、結果をより良いものにしていく作業と考えることができる。

○売れないのは努力が足りないからだ!は本当か?

・プロセス改善での成功体験は、努力至上主義や精神論と大変結びやすい性質である。

・「現場の努力が足りない」という安易な結論は、直面する問題の全体像を上級指揮官が正しく把握していないことに本当の原因がある。

○「ダブル・ループ学習」で問題解決に当たる

・「ダブル・ループ学習」とは、目標や問題の基本構造が違っているのではないかという疑問・検討を含めた学習スタイルを指す。

・ダブル・ループ学習で疑問符をフィードバックする仕組みを持つ。「部下が努力しないから駄目だ」と叱る前に問題の全体像をリーダーや組織が正確に理解しているか再確認が必要である。

 

今回特に印象に残ったのは、「ゲームのルールを変える」ということ。太平洋戦争では日本軍の「練磨」「反復での型の極め」を全く無効にしたアメリカ軍のVT信管という命中精度が低くても効果的な武器の話。アップルがプラットフォーム戦略で日本の電機メーカーの性能へのこだわりを無効にしたこと。「日本的思考」に傾倒しすぎるとグローバルなマーケットでは通用しないということを思い知らされました。社内においてもダブル・ループ学習でフィードバックをしながら、そういった思考に陥らない工夫をすべきだと感じます。自分自身も自分の成功体験や慣習に縛られることなく、常にクリエイティブに物事を考えていかなければならないと心に刻みました。

「超」入門 失敗の本質 鈴木博毅①


テーマ:なぜ「戦略」があいまいなのか?

●戦略の失敗は戦術で補えない

○戦略とは「目標達成につながる勝利」を選ぶこと

・大局的な戦略とは「目標達成につながる勝利」と「つながらない勝利」を選別し、「目標達成につながる勝利」を選ぶこと。米軍を抑止する効果のない17もの島に上陸占拠した日本軍は、目標達成につながらない勝利を集めており、大局的な戦略を持っていなかったと判断できる。

○戦略の失敗は戦術で補えない

・「ガラパゴス化」という言葉は、孤立する日本製品の独自の進化を指す時によくつかわれてきたが、いくら高度な機能を備えていても、標準規格を海外企業に独占されてしまい、最終的にシェア争いで敗れてしまえば、最終的な勝利にはつながらないことを意味する。

・戦略とはいかに「目標達成につながる勝利」を選ぶかを考えること。日本人は戦略と戦術を混同しやすいが、戦術で勝利しても、最終的な勝利には結び付かない。

●「指標」こそが勝敗を決める

○日本軍と対立した石原莞爾の勝利の戦略

・石原…「持久総力戦」という発想。日本軍…「決戦戦争」という発想。

・石原の指標…国家の国力、生産補給力で勝利が決まる。日本軍の指標…どこかの戦場で大勝利をすれば勝敗が決まる。

・戦略とは「追いかける指標」のことであり、戦略決定とは「追いかける指標を決める」ことであるとすれば、石原と日本軍の違いは、追いかける指標の違いである。

・戦略の失敗は戦術では取り戻せないので、有効な指標を見抜く指標の設定力こそが最大のポイントとなる。

・勝利につながる「指標」をいかに選ぶかが戦略である。性能面や価格で一時的に勝利しても、より有利な指標が現れれば最終的な勝利にはつながらない。

●「体験的学習」では勝った理由が分からない

○大局観に欠け、部分のみに固執する日本軍

・日本軍側には作戦命令において、戦略が存在しないか、あっても「誤った指標」を追いかけていると判断できる。一方米軍は、「空母を最優先で沈める」という指標を含め、全体の戦果につながる効果的な指標を設定している。

○なぜ日本企業は一点突破、全面展開なのか?

・アメリカでホンダがスーパーカブという「小型で気楽に乗れる」という新しい指標を偶然発見した。これは体験的学習の積み重ねによる軍禅の発見が生み出した成功。

・日本軍にも通じる点だが、「一点突破、全面展開」という流れを日本人と日本の組織が採用しがちなのは、戦略の定義という意味での論理が先にあるのでなく、体験的学習による察知で「成功する戦略」を発見している構造だからと推測できる。

・「体験的学習」で一時的に勝利しても、成功要因を把握できないと、長期的には必ず敗北する。指標を理解していない勝利は継続できない。

●同じ指標ばかり追うといずれ敗北する

○日本に欠けているグランド・デザインの視点

・「全体戦略」、組織全体が追いかける指標。

○日本企業が戦略を苦手にする理由

・伊那食品工業は寒天の用途拡大戦略をとり、単にヒット商品を狙うのでもなく、商品数を増やすのでなく売上増加を支える要因が「素材用途を拡大する」ことだと見抜いていた。

○マイクロソフトが世界制覇できた戦略

・マイクロソフトは「ソフトの互換性」「ネットワーク効果」を利用したビジネスモデル「プラットフォーム戦略」で成功した。これは、商品単体の性能を問題としないことで、モノづくり大国と言われた日本の製品が後塵を拝する大きな要因となる。

・体験的学習や偶然による指標発見は、いずれ新しい指標〈戦略〉に敗れる。勝利体験の再現をするだけでなく、さらに有効な指標を見つけることが大切。競合と同じ指標を追いかけても、いずれ敗北する。

 

 

今回からは鈴木博毅さんの「超」入門失敗の本質を取り上げます。この本は、太平洋戦争における日本軍の失敗の本質と現代における日本企業の戦略の失敗の本質を重ねてわかりやすく解説しており、非常に奥深く「なるほど」といえる内容でした。

今回のテーマは「なぜ『戦略』があいまいなのか?」です。今回もっとも印象に残ったのは「目標達成に繋がる勝利」を選ぶということ。目標につながらない勝利をいくつ重ねたところで、大局的な勝利は得られない。目標を定めたうえで、派手ではないが、一つずつ目標に繋がる勝利を得られるよう戦略を立てることが重要だということ。

そして、指標を明確にするということ。大局観をもち、全体を俯瞰して戦略をもとに指標を設定しなければならない。そして、成功体験からくる指標にばかり頼っていては、新しい角度から出てくる指標には対抗できない。成功による慢心をせずに成功要因を突き詰めたうえで次の指標を設定することが重要だと感じました。

信頼される男は自分自身を信じているー一流秘書に学ぶ信頼される男、されない男


○信頼される男は、「人生哲学」を持っている

・「哲学」を持っている人は、自分の中にぶれない軸があるため、自分の人生に必要なものとそうでないものをすぐに認識する。

○信頼される男は、「信頼される人」を選ぶ

・「チームの力学」を大切にすると高い効果が得られる。

○信頼される男は、「自信」と「過信」の違いを知っている

・「自信」とは、自分で自分の能力や価値を信じること。「過信」とは、価値や力量などを実際よりも高く見て、信頼しすぎること。

・自分が「過信」していないかを確認する最も有効な方法は人からのフィードバックである。フィードバックがさらなる「自信」をつけていくきっかけとなる。逆に「過信」していないかを確認しないでいると、どんどん「過信」が加速する。

○信頼される男は、「信頼の法則」を知っている

・信頼の法則とは「相手を信頼することなくして、人の信頼を得るのは難しい」ということ。「信頼」されたいと思うのであれば、まずは、自分が相手を「信頼」すること。

・急に相手のことを信頼するのは難しいという場合は、まずは相手の自由意志を尊重する。相手の話を十分聞いて、相手のやり方をリスペクトしてあげる。その上で最後に「私はこう思うよ」と自分の考えを添えてみる。

・「信頼」されたいと思ったら、テクニックや方法論に傾倒するよりも、相手の自由意志を尊重してみる。

○信頼される男は、自分自身を「信頼」している

・自分自身を「信頼」している人は、柳のようにしなやかで強い。動揺することがなく、確固たる信念を持っていて、ありとあらゆる荒波を乗り越えながら、一歩一歩を着実に前に進む。

・これからの時代に大切な心のあり方とは「自分で自分自身を信頼してあげる」という在り方、そして生き方。

・人生の主人公となって、自分自身を「信頼」し、自分の軸を持つことがとても大切。その部分が揺らぐと、他人の軸に振り回され、他の人の人生を歩むことになってしまう可能性がある。

 

 

今回のテーマは「信頼される男は、自分自身を信頼している」。最近こころの病を抱える人が多いことが社会現象になっていますね。自分を自分以上に見せようと、身の丈以上にまじめに頑張った末、急に心がぽきっと音を立てるように折れていく。周りの人の反応に一喜一憂し、神経過敏になってしまい自分が何者かわからなくなってしまうようです。

これからの時代の大切な心の在り方は「自分で自分を信頼してあげる」というこころの在り方、生き方だと著者は説いています。他者の軸に振り回されることなく、自分が確たる軸を持って人生を歩むこと。つまり人生の主人公は自分であるということを自覚することが大切ですね。自己信頼は人生のいろいろな場面において有効に働くと思います。

 

信頼される男は「見られ方」にも気を配るー一流秘書だけが知っている信頼される男、されない男 


○信頼される男は、「見られ方」を知っている

・「見られ方」をイメージし、確立し、それにあった「見せ方」を考える。

・「見られ方」は「魅られ方」。それは相手を魅了する方法である。

・自分自身が自分のファンになる。本当にそうなれた時に、自分が自分のプロデューサーであり、演出家であることが、とても楽しくなる。

○信頼される男は、笑顔の時に目も笑っている

・目には真実があり、目を見るだけでその人の本質がわかる。

○信頼される男は、目に輝きがある

・「目の輝き」は人生を変えてしまうくらいの影響力を持つ。

・「目力」を上げるために「秘密の道具」として目薬を使う。

○信頼される男は「背中」で語る

・大切なのは「信頼」されているかどうかという不安にとらわれない姿勢。

・自分が人から信頼されているかどうか、周りの人に意識を向けるのではなく、自分自身に目を向け、見つめ、そして今できることに集中することこそが重要。

・自分自身に意識を向け、いつも自信に充ち溢れ。意気揚々とした「背中」を持つ。

○信頼される男は色気がある

・「人としての色気」とはその人の持つ空気感のようなものを指す。

・「色気」を醸し出す源は、経験。自分自身の行動に制限をかけず、開拓者のように行動に移す。

○信頼される男は「気になる存在」である

・「会いたい」と思われる人になる。「気になる存在」になる。そうなるためには、内面に目を向け、自分の「個」の部分に触れる時間を持ってみることが大切。

○信頼される男は、歩き方が美しい

・エグゼクティブはたち振る舞いのプロフェッショナル。TPOに合わせて歩くスピードを変える。「信頼される男」は歩き方の影響力を知っている。

 

 

今回のテーマは「信頼される男は『見られ方』にも気を配る」です。この中で特に印象に残ったのは、「見られ方」の一歩先の「魅られ方」に意識を傾けること。「自分が自分自身のファンとなり、本当にそうなれた時に自分が自分のプロデューサーであり、演出家であることが楽しくなる」。まずは自己イメージを高く持って、自分のことを好きになろうとして、自分自身の魅力をいかんなく発揮できる方法を考えるという発想はとても面白いですよね。演出の仕方次第ではまた新たな自分を発見できるかもしれないし、まったく接点のなかった人にも出会えるかもしれませんよね。

そして、「気になる存在」であり続けること。話題にされるということはきらりと光るものを持つことであり、それを磨いていくと「個」としてのブランディングができるようになるということですね。「あの人に会ってみたい」と言われるような人になるということ、それは意識を外に集中することではなく中に向けて集中すること。「気になる存在」になるためには自分自身を磨くことが重要だということを肝に銘じました。本田直之さんも『レバレッジ人脈術』のなかで、人脈とは「誰を知っているか、ではなく誰に知られているか」だとおっしゃっています。まさにその通りだと実感します。

信頼される男は「行動」が違うー一流秘書だけが知っている信頼できる男、できない男 


○信頼される男は、アウェイ感を出さない

・自分の心を開き、目の前にいる相手の心に寄り添う「一体感」を創出する。

・「一体感」を創造することにより、相手に緊張感を与えない。

○信頼される男は、さりげない気遣いができる

・気遣いは「心のマナー」であることを知る。

・状況を一瞬にして把握するセンサーを磨く。

○信頼される男は、パートナーを大事にする

・パートナーとの愛の深さと仕事での成功度合いは比例する。

頼される男は、「信頼関係」を急いでつくらない

・早急に人間関係を築こうと一生懸命になるのは逆効果。

・人との関係が熟すのを待ってみる。

○信頼される男は、マネジメントをする

・「マネジメント」と「コントロール」の違いを理解する。

・自分の考えをまわりの人に伝え、切磋琢磨しながら、成長していける環境をつくる。

○信頼される男は、行動力がある

・言葉だけではなく「行動」で見せることの大切さを知る。

・100%完璧に考え抜くよりも。70~80%で「行動」に移してみる。

・「行動」は「信頼」のバロメータである。

○信頼される男は。人によって態度を変えない

・相手によって態度を変えることは、一番「信頼」を失うふるまいである。

・どんな時も人に媚びず、常にフェアで正々堂々とする。

 

 

今回のテーマは「信頼できる男は『行動』が違う」です。今回最も大きな気づきがあったのは信頼される男は「マネジメント」をするということ。「マネジメント」ができて「コントロール」をしない上司が部下からの信用を集めるようです。「マネジメント」は部下や関連部署の協力を得ながら、人・モノを適切に動かし、目標をスムーズに達成させること。逆に「コントロール」は部下を細かく支配し、疲弊させ、さらに忙しさとともに厳しさが増すこと。「マネジメント」と「コントロール」の2者の根本的な違いは、相手のことを「信頼」し、自由意思を尊重しているかどうか。確かに意志を全く汲んでもらえず、自分のやり方ばかり押しつけられたのでは疲弊し、モチベーションも下がってしまいますよね。決して「コントロール」することなく、相手を信頼し相手のモチベーションを高める「マネジメント」ができる上司になりたいものです。

また、行動力の大切さにも気付かされました。「あの人は口だけだよね」という言葉は実際社内でもよく聞かれる言葉だと思います。こういう話を聞くのも嫌ですが、自分が「あの人」にはなりたくないですよね。言葉よりも「行動」、言葉に少し「行動」のエッセンスを加えることが必要だそうです。思考と行動のバランスをとることも重要ですよね。思考の堂々巡りにハマることなく、7・8割固まったら行動することが大切だそうです。「あの人は行動の人だ」と言われるような人になりたいものです。是非実践してみましょう。

信頼される男は考え方に軸があるー一流秘書だけが知っている信頼される男、されない男 


○信頼される男は「自信」のつけ方を知っている

・「自信」は一人で躍起になって無理して身につけるものではないと知る。

・セルフイメージを上手に保つ。

・「自信」は周りの人が運んできてくれるもの。

○信頼される男は、本当のプライドを持っている

・自分の存在価値を知り、それを自分できちんと認めている。そういう人は実に穏やかで謙虚である。何かの力を借りて自分の力を誇示する必要がないからである。

・「自分を尊ぶ心」が本当のプライドである。

○信頼される男は、深い孤独を背負っている

・孤独になることで、自分の頭で熟考し、重要な案件についての意思決定を下す準備をする。

・人としての器の大きい人は、孤独を親友として、上手く折り合いをつけながらつき合っている。深い孤独を知っている人は、人に優しい。

○信頼される男は、「信頼」はお金では買えないと知っている

・「信頼」をお金の力でコントロールしようとすればするほど、人の心は離れていってしまう。

○信頼される男は、遊び心を持っている

・無邪気な遊び心を持つと、周りからの期待が高まる。

○信頼される男は、心に余裕がある

・一大事の時にこそ、一人ひとりの持つ心の余裕の度合いが明らかになる。
・どんなときにも心にゆとりのある人は、いま自分がおかれている状況をきちんと受け入れ、その上で冷静な判断を下すことができる。

○信頼される男は、自分の弱いところを認めている

・本来なら隠しておきたい弱い部分を共有し、受け入れ合うことで、仕事の生産性が高まったり、相手のモチベーションが上がったりすることもある。

・自分の弱みを認め、共有できる勇気を持つ。

 

 

今回のテーマは「信頼される男は考え方に軸がある」。今回のテーマの中で特に重要だと思うのは、信頼される男は自信の付け方を知っているということ。私もまだまだ仕事が未熟なために、いろいろな場面で自信を失うことがあります。自分にはこの仕事をしている資格があるのだろうか?会社に迷惑をかけているのではないだろうかと悩むこともしばしばあります。そんなときにふとした上司の励ましの言葉であったり、ねぎらいの言葉があれば少し自分も役に立てているのかなと自信に繋がることもありますよね。自信というものは一人で躍起になって身につけようと頑張るのではなく、周りの人が運んでくれるものと考えること。そして、セルフイメージをうまくコントロールして、現在の自分とのギャップを埋めるために、もっと客観的に自分を見つめないと感じました。

また自信はプライドに繋がる。プライドが高いということは「横柄であること」と誤解されがちです。しかし、プライドというのは実は「穏やかで謙虚」だということです。プライドが高い人は自分自身に誇りを持っています。自分自身を尊ぶことができて初めて、心に余裕ができ人の尊敬を集められるのだと思います。どのような立場であろうとも自分を尊ぶ心を忘れないようにしたいものですね。

信頼される男は伝え方がうまいー一流秘書だけが知っている信頼される男、されない男 


○信頼される男は、「信頼関係をもとに・・」とは言わない

・信頼は目に見えず、「形」の無いものだからこそ不安になる。

・信頼関係は時間をかけてお互いを知っていく中で、自然と生まれ、熟成される。

・信頼は共用すればするほど、失われていくもの。言葉にした瞬間「偽物」になる。

○信頼される男は「言い訳」をしない

・「言い訳」はあくまでも自分を正当化する弁論。

・「言い訳」の数だけ信用が失われていく。

・遅刻をするということは、相手の時間をリスペクトせずに、自分本位の時間の使い方を相手に強要していることになる。

○信頼される男は自分の「肩書」をわざわざ言わない

・自分の「肩書」は、あえて言葉にしないというのが、美徳。

・「肩書」はその人の「人となり」とは異なる。

○信頼される男は、「過去」の自慢話をしない

・人生のピークを「過去」に持っていかず「今」を生きる。

・言葉のキャッチボールにより、少しずつお互いの「心」と「心」が近づき、「共感」が生まれる。

○信頼される男は「ありがとう」を惜しみなく伝える

・「ありがとう」は魔法の言葉。相手の気分や気持ちをパッとポジティブに変えてしまう。

・心のこもった「ありがとう」の数だけ「信頼」される。

○信頼される男は「Recognition」を演出する

・「ありがとう」と称賛したい人がいる場合に、その人の真価を認め、正しく評価すること。つまり「Recognition」の演出で感謝の気持ちを伝えるのが上手い。

○信頼される男は必ず「理由」を伝える

・「理由」なくころころと主張を変えない。

○信頼される男はネガティブな言葉を発しない

・「言葉をかける」ということは、相手の気分に影響を与えている。

・日々「ポジティブ・フィードバック」をし、感謝の気持ちを部下にきちんと伝え、彼らのモチベーションを上げている。

 

 

今日から取り上げるのは能町光香さんの「一流秘書だけが知る信頼される男、されない男」を取り上げます。秘書目線から会社の役員クラスの人の器を見極めてこられた著者の本音が入っており非常に面白い本でした。

今回のテーマは「信頼される男は伝え方がうまい」。もっとも共感できたのは「過去の自慢話」をしないということ、目上の人の話で「私の時はこうだった」とよく武勇伝を話される方がおられますが、聞いていてうんざりすることはよくあることだと思います。リーダーは過去の成功体験に居心地のではなく、状況の変化を読み取り現在・未来に生きなければならない。過去の自慢話はかなり相手のモチベーションを下げる行為なのだということを肝に銘じなければならないと思いました。

そして、「ポジティブフィードバック」「Recognition」といった部下のモチベーションを上げる行為をしっかりと身につけていきたいものですね。

仲間がいる人は負けないー負けない力


○人は人で磨かれる

・君の友人に会わせたまえ、君がどんな人間か当てて見せよう。君が君のクオリティアップを図りたいならば、一番効果的な方法は、「自分よりも優れた人と付き合うこと」に尽きる。人間はつき合う仲間によって、知らず知らずのうちに、絶大なる影響を受ける。「親友」よりも心をさらけ出せる「心友」を得る。

・犬小屋から抜け出しなさい。よき心友を得るために自分のコンフォートゾーンから抜け出す。「犬小屋の論理」に陥らない。ランチを社外の人と食べる。質の良い勉強会や異業種交流会に出かける。異質の人と触れ合うことで、感性の泉がいつまでも枯れることがない。

・理念がなければよき心友は集まってこない。自分の価値観を明確にし、それに沿った行動をしていると、周りから信頼と尊敬を受けることになり、それが求心力の源になる。

○オープンマインドで耳を傾ける

・目標が大きくなればなるほど、自分ひとりの力だけではたどり着けない。

・よき心友だけでなく、メンター(師)が必要である。

・メンターに完璧を求めてはいけない。メンターがその欠点をどう矯正しているのか、どう折り合いをつけて生きているのかまで学んでこそメンターの存在の意味がある。

・耳の痛いことを言ってくれる人ほどそばにおけ。客観的な視点から指摘してくれる人が一人もいない人は危うい。

・理念がなければメンターには出会えない。

○真のリーダーを目指しなさい

・部下には君の理念を示せ。物事を長期で捉える。「多長根」の視点。

・リーダーは長期に加え、短期でも考えられねばならない。変化に対しても柔軟でなければならない。

・変化に対し、マネージャーは「改善」を考えるが、リーダーは「革新」を考える。

・部下の心をインスパイアする。

・人望とは。リーダーとしての能力〈スキル・マインド〉を発揮し、仕事で結果を出した時に生まれるものである。

○心を揺さぶるスピーチの秘訣

秘訣1.目的を明確にする

秘訣2.相手と波長を合わせる

秘訣3.話を三点に絞る

秘訣4.なるべく借り物のネタや言葉を使わない

秘訣5.心で話す、情熱的に話す

秘訣6.質問を投げかけて注意を引く

秘訣7.最初に言い訳と謝罪をしない

秘訣8.ジョークを交えて話す

 

○負けないチームのつくり方

・チームワーク強くする二つの条件

条件1.理念と目標を全員で共有する-全員のベクトルを同じ方向に向ける。自分が究極の理念を示し、それにみなが共鳴すると、考え方に大きな違いがなくなり求心力が働く。

条件2.会社の目標と個人の目標を一致させる

・部下に必ず結果を出させるための6つの秘訣

秘訣1.目標と責任を明確化する

秘訣2.目標の決定のプロセスに関与させる

秘訣3.権限を出来る限り委譲する

秘訣4.結果責任はリーダーが追う

秘訣5.信賞必罰を徹底する

秘訣6.部下を資産として扱う

○最後に勝つのは、負けなかった人

・30代まではダボハゼでいけ。与えられた仕事には何でも食らいつく。

・不得意なことは切り捨てろ。どんなに努力しても人並み以上になれないことは切り捨てる。

・人間力を高めろ。情熱を持つこと、肯定的に物事を見ること、謙虚さを失わないこと、自分の理念を持っていること、礼儀礼節をわきまえること。ただし、スキルあってのマインド、人間力が高くても仕事ができなければ意味がない。

・あきらめなければ負けではない。最後に勝つのは、あきらめなかった人だ。多くの問題や苦難に立ち向かい、自分に克ち続ける。克つ人は勝つ人になるのだ。

 

 

今回のテーマは「仲間がいる人は負けない」。自分には「心友」は何人いるだろうかと思わず自問しました。自分の悩み、弱み、欠点をさらけ出せる心友。よき心友をつくるにはコンフォートゾーン(快適空間)から脱出しなければならない。多くの人と会って価値観の合う人を見つける。焦らずゆっくりとたくさんの人と会うことが大切だということを実感しました。確かに長い人生の中で、会社や学校という箱の中で出会う人というのは本当に一握りですよね。もっと視野を広げて、いろいろな世界を見なければいけないし、もったいないと感じる今日この頃です。ソーシャルメディアというツールがリアルを補完するものであるとすれば、ネットでの交友から価値観のある人を選別してリアルの心友にも発展する可能性もありますよね。様々な可能性を模索しながら、自分の人生を充実させてくれる心友を一人でも多くつくりたいものですよね。

 

 

 

枠にとらわれぬ人は負けないー負けない力


○世界に負けないコミュニケーション力

・優れた国際人である前に優れた国内人であれ。

・自国をよく知る。日本人としての教養を身につける。日々の仕事に明け暮れず、無用の学を蓄積する。後に重要な仕事を任される立場になった時には、人間的厚み、深み、教養が問われる。

・祖国日本を愛している。

・日本人としてのアイデンティティを確立している。

○グローバルマインドの磨き方

・世界を知る。

・違いを尊重する。

・フレキシビリティ〈柔軟性〉を身につける

○君にとっての貴重な財産のつくり方

・相手に関心を示す。相手の存在や価値を認める。積極的な傾聴をする。

・大き目に、ゆっくり目に、相手の目を見る。

・人間の耳に最も心地よいのは「自分の名前」。

・ネーム・ドロッピングは嫌われる。

・丁寧にきっぱり「ノー」を言う。

・外国人もいる会議では日本語で話さない

・若い時に無用の学を修める。

・会って話すのが基本中の基本。

・与えよ、さらば与えられん。「ギブ・アンド・ギブ」を心がける。

○論理と数字が動かなければ相手は動かない

・もっと理屈っぽくなれ。理詰めで相手を説き伏せるプレゼンテーション力を身につける。

・ディベート学習のススメ。

・日本人は3倍主張してちょうどよい。

○「ユーモアがある」は最高の褒め言葉

・笑いは大きな武器になる。その場を和ませ一瞬で相手の心を開く力。

・自分の心がしなやかに強くなる。

 

 

今日のテーマは「枠にとらわれない人は負けない」。すぐれた国際人である前に優れた国内人であれ、という言葉にはなるほどと感心させられました。とかくグローバル時代と言うと英語を学び、海外のことを学び、コミュニケーションスキルを身につけることが最優先だと思います。著者が主張するのは、日本人である以上は日本のことを良く知るということ、順序を重んじよということです。自国の政治・経済、そして歴史・地理・美術・文化などの無用の学を身につけよということです。日本人としてのアイデンティティを身につけるために、もっと日本のことをしっかり勉強しなければならないと感じさせられました。

・非言語コミュニケーションを侮るな。「メラビアンの法則」スピーカーがオーディエンスに話をしたとき、目からの情報・印象が55%、耳からの情報が38%である。

 

爪を研いだ人は負けないー負けない力


○君の会社は大丈夫だろうか

・生き残るために最も重要なのは環境に合わせて自己を変革する力である。

・最重要国家資源はグローバルリーダー

・世界の潮流は、IT化、グローバル化、多様化

○あなたはいまどこにいる

●スキル

・多様化〈ダイバーシティ〉マネジメント能力

・財務リテラシー

・ITリテラシー

・情報リテラシー

・英語+1リテラシ-

・グローバルコミュニケーションスキル

・プレゼンテーションスキル

・人間関係能力

・チームビルディング能力

・課題発見および問題解決能力

・状況対応能力

・方向性明示能力

・人財育成能力

●マインド(人間力)

・情熱

・インテグリティ(信頼・尊敬)

・全体観・大局観

・歴史観

・感性・直感力

・自責・当事者意識

・チェンジマインド

・好奇心

・創造性

・イニシアティブ(率先垂範能力)

・向上心・向学心

・胆識(見識+決断力+実行力)

・肯定志向

・謙虚

・ユーモア

○世界で勝負する人の勉強法

・学んだことは実践し、誰かに教えろ。最も効果が高いのは「やってみると教えるの組み合わせ」である。

・座学で学び、修羅場で成長しろ。原理原則を学んだ上で、実践で経験を積む。

・上司の期待と予想を超えてみせろ。積極的にメッセージを送る人間にチャンスは来る。事前評価を上回る行動をとり、自分の付加価値を高める。

○結果を出す人は君より努力している

・一流の人は、凡人が驚くほどのしているものだ。努力する力そのものが才能である、という考え方もある。

・君が何歳でもまだギブアップする必要はない。

・君の努力は必ず成長という結果を出す。

○君はなぜ、いまの会社をやめようと思うのか?

・転職で幸せになる人は意外と少ない。

・もし転職をするならば、次々と職場を移り変わる「ジョブホッパー」ではなく「キャリアビルダー」を目指す。

 

 

今日のテーマは「爪を研ぐ人は負けない」。時代は日々変化していて、サラリーマンとして必ずしも30年同じ会社に働いて安定した給料をもらえる保障はどこにもありませんよね。そして今自分がしている仕事も会社という看板があってこその信用であり、個人としては本当に小さなものであるということを身にしみて感じることがあります。その会社が10年後どうなっているだろうかという危機意識を持つことはすごく大事だと思うし、また環境によって変わらなければならないのは会社ではなく自分自身だということも自覚しなければならない。とにかく今感じているのは、会社に依存するのはリスクであり、今の自分の実力を良く知り、スキルとマインドを鍛えていかなければならないということ。人に負けない努力をして、会社内での自分の価値だけにとどまらず、市場での自分の価値を高める訓練をしなければならないと肝に銘じました。