しくみ化する技術−エッセンシャル思考


バッファー最悪の事態を想定する

・非エッセンシャル思考の人は、条件に恵まれたケースを前提として予定を立てようとする。希望的観測に従って生きているのだ。
・エッセンシャル思考の人は、思わぬことは起こるものだと知っているから、あらかじめ何かが起こることを想定して予定を立てる。万が一に備えてバッファをとり、予定外のことがあってもペースを取り戻せるようにしておくのだ。

 

削減ー仕事を減らし、成果を増やす

・仕事や日々の生活で、何があなたの進みを妨げているのだろうか。冷静にボトルネックを特定して取り除くことができれば、見違えるほどスムーズに重要なことを達成できるはずだ。
・エッセンシャル思考の人は仕事を減らすことによって、より多くを生み出す。
・ボトルネックを取り除くのは、それほど難しいことではない。小さなことが、とても大きな結果につながるからだ。山の頂上にある石を転がすのと同じで、最初の一押しさえ頑張れば、後は自然にすべてがうまくまわり出す。

 

前進ー小さな一歩を積み重ねる

・非エッセンシャル思考の人は、何でも頑張ろうとしすぎる嫌いがある。多くを求めて努力すれば、それだけ結果がついてくると思っている。
・エッセンシャル思考の人は、もっと現実的だ。何でもいっぺんにやろうとせず、小さな成功を積み重ねる。見た目だけ派手なプレイに酔いしれるのではなく、本当に大切なところで着実に点をとりに行くのだ。
・小さく始めて、日々の小さな進捗を評価する。それを何度も何度も繰り返す。最初から壮大な目標を立てるより、その方がずっと遠くまでいける。
・小さな達成を繰り返せば、目標までの道のりは楽しく、満足感に満ちたものになる。

 

集中ー「今、何が重要か」を考える

・過去の失敗や未来への不安にとらわれるのは、人としてごく自然なことだ。ただし、過去や未来のことを考えるたびに、目の前の大事なことがおろそかになるという事実も忘れてはならない。
・問題は、人は一度にひとつのことにしか「集中」できないということだ。複数のことをやるのはかまわない。しかし集中の対象がどれなのかは、はっきりとさせておく必要がある。エッセンシャル思考の敵はマルチタスクではなく、焦点を複数に合わせようとすること、すなわちマルチフォーカスなのだ。

 

未来ーエッセンシャル思考を生きる

・ガンジーのように生きろとは言わないが、本質的な目標のためによけいなものを削ぎ落とす生き方は見習うべきだろう。自分にできる範囲で、自分らしいやり方でやればいい。
・エッセンシャル思考の目的は、世間的な成功を手に入れることではない。人生に意味と目的を見出し、本当に重要なことを成し遂げることだ。
・エッセンシャル思考を生きる人は、周囲の人と同化しない。この情報と雑音とストレスと虚栄に満ちた世の中にあって、エッセンシャル思考を生きることは静かな革命である。
・エッセンシャル思考を生きることは、後悔なく生きることだ。本当に大切なことを見極め、そこに最大限の時間とエネルギーを注げば、後悔の入り込む余地はなくなる。自分の選択を心から誇りに思える。

 

まとめ

仕事や日々の暮らしの中で何かに追い立てられているような気分でいるようなことはないでしょうか。

それはやらなければいけないことなのかもしれない。

が、考えてみてほしいのです。本当にやるべきことなのだろうか。
自分自身の本来の目標や、もっと大きく言えば生きる目的に沿っているものだろうか。

自分自身でこのような問いを投げかけながら自答しつつ、これを仕組み化することでエッセシャル思考は身につけられるのではないでしょうか。

大きなポイントは、

①不要なものを削減する

②本質に沿った行動をこつこつと重ねる習慣をつける

③何が本当に大切なのかを見極めフォーカスする

仕組み化するためには、自分の生きる軸や仕事をする目的を明確にしなければならない。
自分にとって必要でないことを極力削減しながら、自分の軸に合ったものにエネルギーと時間を注ぎ込んでいく。それを継続、習慣化する。

そうすることで、その時間は圧倒的に有意義なものに変わっていくのです。

外的環境や、世間体や「空氣」に惑わされないエッセンシャル思考を身につけることはこれからの時代を生き抜く最強の武器になること請け合いだ。

捨てる技術−エッセンシャル思考


目標−最終形を明確にする

・目的がなければ人を動かすことはできない。目的もわからない仕事では、やる気が出ないからだ。どれほど熱心にコミュニケーションやチームワークを教え込み、360度評価で風通しの良い体制をつくろうとしても、目的が明確でなければやがて問題が巣食いはびこっていく。
・すぐれた本質目標があれば、周囲の強力も得やすくなる。普段からは考えられないレベルの力を発揮し、迷いなく目標に向かって進み続けることができる。
・人生の本質目標を決めるのは、容易ではない。勇気と洞察力を持ち、自分の力を最高に発揮できる行動を見定めなくてはならない。そのためには、タフな問いに答えることが必要だ。トレードオフを直視し、本質から外れた物事を断固として切り捨てなくてはならない。

 

拒否−断固として上手に断る

・他人からのプレッシャーに負けず、きっぱりと上手に断ることは、エッセンシャル思考の必須すきるである。と同時に、もっとも難しいスキルである。
・本当に重要なことをやるために、本質的でない依頼を断るのだ。肝心なのは、絶対にやるべきこと以外のすべてに対して、上手にノーと言うことである。

 

キャンセル−過去の損失を切り捨てる

・「サンクコストバイアス」とは、すでにお金や時間を支払ってしまったという理由だけで、そんな取引に手を出し続ける心理的傾向のことだ。
・エッセンシャル思考の人は、勇敢に自分の過ちを認め、悪循環を抜け出すことができる。サンクコストにとらわれず、駄目な行動をすっぱりと切り捨てるのだ。
・自分の失敗を認めたとき、初めて失敗は過去のものになる。失敗した事実を否定する人は、けっしてそこから抜け出せない。
・いつもやっているからという理由でそれをやめられない傾向を「現状維持バイアス」と呼ぶ。
・ゼロベースという考え方を自分の仕事や生き方に当てはめてみよう。まっさらな状態から、時間やお金やエネルギーの使い方をあらためて考えてみよう。ただ惰性で続けていることは、すぐにやめるべきだ。

 

編集−余剰を削り、本質を取り出す

・編集はエッセンシャル思考の技術である。不要なものや余分なものを容赦なく削り、作品の本質を取り出す仕事だ。
・まずは立ち止まって、様子を見る。すると、全体の流れがクリアになる。「より少なく」というエッセンシャル思考のやり方は、すぐれた編集術でもあるのだ。
・エッセンシャル思考で生きるということは、削除と凝縮と修正を、日々の習慣にすることだ。まるで呼吸するように、自然と生き方を編集しよう。

 

線引き−境界を決めると自由になれる

・自分で線を引かなければ、自分の領域は守れない。あるいは誰かが勝手に、もっとも望ましくない形で線を引いてしまうかもしれない。
・エッセンシャル思考の人は。境界線を上手に利用する。一線を引くことで自分の時間を守り、他人からのよけいな干渉を防ぐのだ。
・時間やエネルギーを他人に奪い取られないためには、頑丈な塀を立てるしかない。ただし、頼み事をされるたびに塀を立てるのでは間に合わない。ゆずれない線をあらかじめ明確に引き、不用意に入ってこられないようにしておいた方がいい。

 

まとめ

あなたは他人からの影響や、過去の失敗、いわゆる常識や過去の慣習にとらわれ、自分自身が身動きが取れなくなっている感覚を持ってはいないだろうか。

他者や過去にとらわれていると幸福感を感じられないどころか自分自身の人生への責任感さえも削がれていってしまう。

 

自分らしく生きるためにこの捨てる技術というのはおおいに役に立つものである。
捨てるためには、自分の軸というものをじっくりと熟成させていくことが大切です。

自分の中で人生や仕事の目標やあり方を設定してしまうのです。
そしてそれにそぐわないものは拒絶し、切り離すのです。
必要なものが明確でなければ、捨てるものも明確になりませんよね。

そのことによって多かれ少なかれ、代償を払うことになるかもしれない。
けれども長い目で仕事や人生を考えたときには様々な呪縛から解き放たれ、自分らしく生きることができるということは非常に幸せなことだ。

つまりこれは主体的に人生を選択しているということだ。
とらわれた環境や自分を追いつめる他者からの影響から独立し、自分自身で人生の操縦桿を握っているということなのです。
どんな立場に置かれようと、自由であり続けることができるのです。

捨てる技術を研ぎすませることで、より得るものも増えるのではないでしょうか。

 

 

見極める技術−エッセンシャル思考


孤独−考えるためのスペースをつくる

・多数の瑣末なことの中から少数の重要なことを見分けるためには、誰にも邪魔されない時間が不可欠だ。
ただし、この忙しい世の中で、そんな余裕が自然に生まれるわけがない。
あえて時間をとらなければ、誰も考える余裕など与えてくれない。

・非エッセンシャル思考の人は、とにかく目の前のことに反応する。だがエッセンシャル思考の人は、すぐに飛びついたりしない。調査と検討にたっぷり時間をかけることを選ぶ。

・集中は向こうからやってくるものではない。だから、集中できる状況に自ら飛び込んでいくことが必要なのだ。

 

洞察−情報の本質をつかみとる

・あらゆる事実には、本質が隠されている。

・要点に目を向ける訓練をすると、これまで見えなかったものが見えてくる。
点の集まりではなく、点同士をつなげる線に気づくことができる。

・エッセンシャル思考の人は、目と耳がいい。すべてに注意を向けることが不可能だと知っているので、話しの空白を聞き、行間を読む。

 

遊び−内なる子供の声を聴く

・遊びは、それ自体を目的とした行動だ。何かのためでなく、遊びたいから遊ぶ。どこにもたどり着かない行動は、一見無駄なようにも思える。しかし実はそうした遊びこそ、人間にとって不可欠な行動なのだ。

・遊びは本質を探究するのに役に立つだけでなく、それ自体がどこまでも本質的である。

 

睡眠−1時間の眠りが数時間分の成果を生む

・私たちの最大の資産は、自分自身だ。自分への投資を怠り、心と体をないがしろにすると、価値を生み出すための元手がなくなってしまう。
自分という資産を守らなければ、世の中のために働くこともできないのだ。

・非エッセンシャル思考の人は、睡眠を一種の義務のように考えている。
一方でエッセンシャル思考の人は、睡眠を武器だと考え、自分の力を引き出すために活用している。計画的に十分な睡眠をとることで、仕事の質を最大限に高めているのだ。

・たっぷり眠ろう。そうすれば洞察力が高まり、発想が広がり、より少ない時間でより良い成果を上げることができる。

 

選抜−もっとも厳しい基準で決める

・完璧な選択肢はすぐにやってくるかもしれないし、中々現れないかもしれない。
だが、厳しい基準を設けるというその行為は、間違いなくあなたに自由を与えてくれる。
他人や世の中や偶然に決められるのではなく、自分自身で選ぶ自由だ。
「仕方なく」選ぶのではなく、「選びたいから」選ぶ自由だ。

・非エッセンシャル思考の人はいつも、消極的な基準でものごとを選んでいる。
「上司にいわれたからやる」「誰かに頼まれたからやる」、あるいは「みんながやっているからやる」という基準だ。

 

まとめ

ものごとを見極めるときに何を基準にしているだろうか。

ついつい、まわりの人がやっているからとか、上司にいわれているからと主導権を他者に渡していないだろうか。

また忙しい仕事に追われて、仕事を言い訳に選択する時間を手放していないだろうか。
忙しくてできないのではなくて、選択するのが面倒だから忙しくしているのではないだろうか。

自ら選抜する権利を手放し、他者に委ねることは非常に楽なことである。
しかし、そのつけは何倍にもなって返ってくることを肝に銘じた方がいいのです。

自分自身が主体となって、本当に自分に何が必要なのかという視点を常に持って自らの責任において見極めていくことが必要だ。

遊ぶ時間、睡眠の時間、そして考える時間。

それは自分自身が選択してつくっていくことでしか生まれない時間なんだ。

 

エッセンシャル思考とは何か−エッセンシャル思考


エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考

・エッセンシャル思考とは、まさに「より少なく、しかしより良く」を、極めて簡潔に言い表している。

・エッセンシャル思考は、より多くのことをやりとげる技術ではない。正しいことをやりとげる技術だ。

・エッセンシャル思考の人は、適当に全部やろうとは考えない。トレードオフを直視し、何かを取るために何かを捨てる。

・エッセンシャル思考は、自分の選択を自分の手に取り戻すための道のりである。それはあなたに、これまでとはくらべものにならないほどの成功と充実感を与えてくれる。

・自分に正直に生きるというのは、単にわがままになることではない。不要なことを的確に見定め、排除していくことだ。そのためには、無意味な雑用を断るだけでなく、魅力的なチャンスを切り捨てることも必要になる。

選択ー選ぶ力を取り戻す

・選択とは行動なのだ。与えられるものではなく、つかみとるものだ。

・私たちは長い間、選択の外的側面(どんな選択肢があるか)にばかり目を向けて、選択の内的側面(選ぶ能力)を見過ごしてきた。

・エッセンシャル思考の人は、選ぶ力を無駄にしない。その価値を理解し、大切に実行する。選ぶ権利を手放すことは、他人に自分の人生を決めさせることだと知っているからだ。

ノイズー大多数のものは無価値である

・努力は大切だ。だが、努力の量が成果に比例するとはかぎらない。がむしゃらにがんばるよりも、「より少なく、しかしより良く」努力した方がいい。

・努力の量と成果が比例するという考え方を捨てたとき、エッセンシャル思考の大切さが見えてくる。

・仕事の出来る人が往々として壁にぶつかるのは、「全部やらなくては」という思考から抜け出せないためだ。だがエッセンシャル思考を身につければ、本当に重要なものを正しく見分けることができる。

トレードオフー何かを選ぶことは何かを捨てること

・トレードオフを無視するととんでもない損失が待っている。

・非エッセンシャル思考の人は、トレードオフが必要な状況で「どうすれば両方できるか?」と考える。だがエッセンシャル思考の人は、「どの問題を引き受けるか?」と考える。

・エッセンシャル思考の人は、トレードオフを当たり前の現実として受け入れる。

 

 まとめ

日々忙しく毎日を送っていませんか?
僕も一日を振り返ったときに今日は何をしてたのか。。と情けなくなるときもあります。

「忙しいことはいいことだ」という人もいます。

でも、それは生産性が悪いことを正当化していることになっていませんか?

忙しく仕事をする追われる時間を浪費し、もっと自分のやりたいことに時間を投資する時間を削っていることになります。

ではなぜ僕たちは忙しいのでしょうか?
そこには非エッセンシャル思考の罠があるからなのです。

「すべてやらなければならない」
「完璧にやらなければならない」
「努力しなければならない」

これらの考えにとらわれていませんか?

エッセンシャル思考とは何なのだろうか?
それは主体的に選択し、余計なものを見極め、切り離す思考。

僕らの仕事や生活の中には無駄なものが多すぎるんです。
一度立ち止まりトレードオフすべきものを捨てる選択をすべきなんですね。