■この一言で部下がどんどん動き出す
・上司は、業務を円滑に進めると同時に、部下を成長させるという責任を担っています。これは、とても大変なことです。でもその目的を果たすために、しつもんは強力なツールとなります。それは、しつもんが、人の意識に問いかけることができる唯一のツールだからです。
・上司として最も心がけたいのは、仕事に対して、部下を「受動的な態度で終わらせない」ということです。
■部下の仕事をサポートするための「しつもん」
・「一番重要な部分はどこだと思う?」…「完成度」を高めるためのポイント。最終目的の意識付け。
・「どの順番で進めるのがいいと思う?」…「考えてもらう」ことが最優先。
・「全体的にみて、一番緊急なのはどれ?」…「緊急の理由」まで掘り下げて聞く。
・「今できているところまで見せてもらえる?」…「見えるもの」で確認するのが一番。
・「なぜ報告が必要だと思う?」…迷いなくホウレンソウができる状況を作る。
・「うまく進まないのは何が原因だと思う?」…感覚や感想よりも「事実」を重視。
・「どのようにすれば期限を守れると思う?」…「言い訳」をさせない聞き方。
・「今の状況の問題点は何だろう?」…一番の問題は何なのかを見極める。
■部下が仕事に対して消極的な時にする「しつもん」
・「今、目標の何%達成してる?」…「どのくらい」を数値化する。
・「どんなときにやる気が出る?」…部下の「やる気のもと」を知る。
・「そうなんだね。それで?」…物事の本質をズバリ見抜く。
・「今、気になっていることはどんなこと?」…いいアイデアは日常の中で生まれる。
■部下の問題行動を正したいときの「しつもん」
・「どのようにすれば時間どおりに来れるかな」…遅刻を繰り返さないための「具体策」。
・「この会議の重要度は、どれくらいだと思う?」…「重要度」が分かると休まない。
・「お客様だったらどう思うかな?」…「お客様」「職場の人」を主語にする。
・「経費とは何だと思う?」…「無意識」の部分に働きかける。
■部下のメンタルをサポートする「しつもん」
・「今、何が一番大変?」…「力になりたい」ことを伝える。
・「なぜその状況になったのだろう?」…意外と「なぜ?」を押さえていない。
・「あなたができることは何がある?」…本当のゴールはいったいどこか?「自分にできること」をサポートする。
■部下の成長を後押しする「しつもん」
・「何かステップアップに対する不安点や疑問点はある?」…「悩みのタネ」が分かればスッキリ。
・「○○というプロジェクトに興味はある?」…あくまでも判断するのは部下。
・「どんな仕事があったら、強みを発揮できそう?」…「自分で探す」ことに意味がある。
・「どんなときに満足感があった?」…天職とは「何(What)」より「どのように(How)」。
・「一年後にどんな成長があったら最高?」…長期的な成長を後押しする。
・「一年前に比べると、どんな成長があった?」…部下の自信につながる。
■まとめ
人は強制されるとやる気を失う生き物ですよね。自分の意志ややる気を尊重してもらいたいものです。
ある種の強制力を伴う「指示」よりも、部下自身が考え行動するための補助となる「しつもん」は仕事を円滑に進めたり、部下の育成に非常に効果的だということが伺い知れます。
「しつもん」にも様々なシチュエーションやタイミングで使い分けが必要なことが分かります。
部下がどんな状況にあっても、どんなレベルであったとしても、決して部下が受動的になるような状況をつくらないことが必要ですね。
上司としては、歯がゆさを感じてついつい教えたくなったり、叱りたくなったりすることもあると思います。
それをひとまず内に収めて「しつもん」を繰り出すことが、長期的な部下の成長につながります。
とにかく部下に考えてもらいたい、考えた上での行動を起こしてもらいたいと愛情を持って部下を見守る心構えが必要ですね。