会話の八割は聞くことに徹する
・聞くことは自分が観察者になることであり、ときに相手よりも優位なポジションを保てる。
・八割は聞くことに徹し、残りの二割を話すことにあてる。自分が話すことも、二度考えていたうちの一度話すくらいの感覚でいいだろう。
相手が表現しきれない部分まで聞く
・聞くとは自分の注意や集中力、時間を相手に与えることである。話を真剣に聞いてあげる姿勢を見せるだけで、人間は好感をもたれる。
・聞き方としては、相手がことばとして表現しきれない、あるいは相手の内側にある事まで理解しようとする姿勢が大切である。五感を総動員し体全体で聞く。
自分が発する言葉の稀少性を高める
・自分が語る場合は、基本的に聞かれることに答えるというスタンスでいい。しかもできるだけ簡潔な言葉で語る。決して語り過ぎてはいけない。
・言葉の稀少性を高めなくてはならない。発する言葉の一つひとつの意味が本質的であること。それを周囲に認識してもらえれば、この人の話には耳を傾けるに値する内容があると思ってもらえる。
・自分が発する言葉がどのような結果をもたらすかという想像力をもち、言葉を発する前に深く考えよう。そうすると、言葉の量は少なくなるし、速度も遅くなる。それでまったくかまわない。
10個主張するうちの9個を譲る
・自分の主張を通すためにはその稀少性を高めなくてはならない。
・表向きには大きな包容力で接し、内面には山のように動かない信念を持っている。外部に合わせても、内面で自分を裏切らなければいい。
相手の欲望の源泉に働きかける
・相手の行動を促すには、相手の欲望やモチベーションの源泉に働きかけなければならない。その時に有効なのが右脳的なコミュニケーションである。
・根源的にいえば、それは、相手が生きる価値をどこに求めているかを理解する作業なのである。
聞く耳を持たない人に反論しても無駄
・器の大きさは戦うことによって形成されるものでもあるので、若いうちは大いに戦っていい。その度に内面で反省し、徐々に成長していけばいいのである。
・互いに高め合える関係なのかを見極めよ。聞く耳を持たない人に反論しても不毛である。
他人の助言をうのみにしてはいけない
・自分がおかれた世界、向かおうとする世界がはっきりと見えない時、その世界を先に体験した人の意見を聞くのは大切である。しかし、それにより得られた知見は、あくまでも自分が最終的な判断を下すための材料にすべきだ。
・他者の意見はうのみにしないという決意を備えていないと、人は簡単に洗脳やマインドコントロールをされてしまう。対話の相手がどれほど素晴らしい人であっても、その決意を変えてはならない。自分の選択や決断を委ねるに値する意見は、世の中には存在しないのだ。
まとめ
聞くというのは、自分の集中力や注意、そして時間を相手に与える行為。
この本を読むまでは、聞くという行為についてその意味を特に何も考えていませんでした。
相手の話をとことんまで真剣に聞く、相手が言いたいけど言葉にしきれない、その内面までを理解しようとする。
そして、自らはその会話の中での2割の発言にとどめて、自分の言葉の稀少性を高めていく。
そうすることによって、自分の主張の価値や相手からの信頼感を得ることができるんですね。
ただただ主張することは、自らの価値を落とすことにもなりかねない。
自分の軸はしっかりと内面に持ちながらも、相手の主張を理解し、受け入れ、自分の内面を裏切らない範囲で受容することが大切なんですね。