テーマ:なぜ「現場」をうまく活用できないのか
●司令部が現場の能力を活かせない
○知らない現場も分かっていると思い込む傲慢さ
①上層部が「自分たちの理解していない現場」を蔑視している。
① 上層部が「現場の優秀な人間の意見」を参照しない。
・あなたが「知らない」という理由だけで、現場にある能力を蔑視してはいけない。優れた点を現場に見つけたら、自主性・独立性を尊重し、最大・最高の成果を上げさせる。
●現場を活性化する仕組みがない
○米軍が追求した、戦果につながる人事システム
①有能な者の能力をフルに発揮させ、かつ知的エネルギーを枯渇させない人事を採用
②実戦で優秀さを証明した少数の者に、重要な仕事を集中させて成果を極大化した。
・米軍は作戦立案をする中央の作戦部員が、現場感覚と最前線の緊張感を常に失うことなく侵攻に邁進できた。現場の体験、情報を確実に中央にフィードバックし、目標達成の精度と速度をさらに高めていく仕組みを作ることが重要である。
●不適切な人事は組織の敗北につながる
○評価制度の指標変更は、組織運営最大のモチベーション
①戦場で迅速な行動力と勝利への執念がある人物は高く評価される。
②非効率で行動が遅く、成果を挙げない人物は降格される。
○プロジェクトごとにリーダーを選出する仕組み
①プロセスに感情が入り込む余地を排除したので、選ばれた者は結果に自信を持つ
②選ばれなかった者も、次の機会に希望を持って能力向上に励むことができる
・厳しい課題に直面していたら、「お飾り人事」を徹底排除し、課題と配置人材の最適化を図ること。能力のない人物を社内の要職に放置すれば、競合企業を有利にさせる以外の効能はない。
今回のテーマは現場活用について。主に人事における、日本軍・米軍の勝敗を分けた理由と会社組織における人事をリンクさせて解説されています。日本型組織では旧日本軍時代から「お飾り人事」が横行し、きちんとした信賞必罰の制度が確立されていない現状がある。それに対してアメリカ型組織は信賞必罰を徹底し、人事が目標に一直線に進む強力な組織を作り上げていく。組織における人事の重要性を痛切に感じます。