「自分に由る」ことで創造性や独自性が育つ
・自由という言葉は「自分に由る」と書く。これは、自分の考えや、自分の感じたことや、自分の心の声を拠りどころにするということである。
・「自分に由る」ということは、既成の理論や常識に縛られることなく、その枠を超えて、自由に感じ、そして独自のものを生み出していくということ。
・「生きる力」とは「自分で決める力」つまり「自分を拠りどころにして生きていく力」。そしてそれは「自分らしい幸せを実現していく力」である。
生きる力をどのように育むか
・内発的動機(内から生じる興味や関心によって行動しようとすること)によって行動するとき、自己決定感という感覚を強く感じる。自己決定感とは「他者に左右されることなく、自分で決めている」という感覚。
人は葛藤を通して成熟する
・自分を拠りどころにして自由に生きたいと思うなら、自分がどんな社会通念の影響を受けてきたのかに気づき、自分を縛ってきた社会通念に対して適度な距離を置くことが大切である。
・多くの人が当たり前のように従っている考え方や常識に対して、それを鵜呑みにしたり、それに従順に従ったりするのでなく、疑問をぶつけ、自分の頭で考えてみる。
・何かの矛盾と直面した時は、安易に割り切るのではなく、その矛盾を抱えて葛藤してみる。こうしてとことん考えつつも、常に自分の心の声に耳を傾ける。心の中のワクワクや違和感を大切にする。
ものごとを「正しいか間違いか」で考えない
・私たちの人生に起きるさまざまな出来事や問題は、複雑で、混沌としていて、安易に割り切ることは出来ない。人生というのは正解のない世界。
・私たちは、自ら矛盾に気づき、そこと向き合って葛藤し、自分なりの答えを見つけ出していく必要がある。
・人生の達人とは、悩んだり葛藤したりすることがなくなった人ではなく、それらを楽しめるようになった人。
自由を獲得するための三段の変化
・ニーチェの「精神の三段の変化」
①らくだの精神…与えられた既存の価値観に従い、権威の奴隷になることを甘んじる精神。
②獅子の精神…自由を獲得するために、既存の価値観を打ち破る精神。
③幼子の精神…無心になって遊びに興じることにより、新しい価値を自立的に創造する。
・「自由に生きる」ということは、「自分で考え自分で選択することにともなう不安や孤独感を引き受けて生きる」ということにある。
・自らの不安や孤独感は自分で引き受け、自分の人生は自分で創造していく。その覚悟をもって生きたとき、他者に対する執着からも解放され、真の自由を獲得することが出来る。
一人でいられる能力の高め方
・一人の時間は、とても豊かで贅沢な時間。「誰にも気を使わなくていい、自分のためだけの時間」であり、「他者との人間関係から解放されて、自分の心の声に耳を傾けることの出来る時間」であり、「自分と深くつながり、自分が自分であることを実感し、本来の自分に立ち戻ることが出来る時間」である。
・一人の時間を自分流に楽しめるようになると、一人でいる能力が育まれ、自分の内面との対話も自然に起きてくる。
まとめ
自由に生きる。
本当に憧れる生き方ですよね。
自由に生きたいなら、自分が選択すればいいのだ。
と言葉では簡単には言えますが、現実問題簡単にできることではないですよね。
もちろん、割り切ってしまえば一時的に表面的な自由が得られるかもしれません。
けれども、往々にして簡単に手に入れた自由なんて言うものは、あっという間になくなってしまうと思います。
現実問題に起こる様々な障害や矛盾に対して葛藤することで自分自身の考え方や軸が定まってくる。
そういった自分の中での成熟感の高まりを感じたときに、本当の意味での自由を得るのだと感じます。
人生うまくいくことばかりではない。
どんな外的な作用が自分を苦しめても、不安や孤独と真っ正面から向き合い、それをプラスの力に変えていく心のあり方でいたいものです。