■惜しげもなく大企業を辞める若者
・大企業を数年で辞める若者を、社会性のない落ちこぼれだと決めつけていた時代は終わり、彼らはもしかすると先駆者かもしれないと分析される対象になっている。
・大企業で働く合理性が毀損している。(価値観の変化・大企業で働くメリットの揺らぎ)
■間欠泉的キャリアを選ぶ
・医療・介護系の仕事、ITやウェブ関係のスキルと職務経験を持つ人たちは、数か月くらい仕事を離れても、失業リスクとは全く無縁である。
・公務員や大企業の社員は、何年か働いた後に数ヶ月間の休みを取り、その後また働き始める、といったことはできない。一旦辞めたら再雇用もほぼ不可能である。
・需要が圧倒的に大きな市場で手に職をつければ、新しい働き方が手に入る。それは一定期間働くごとに、リフレッシュや個人の趣味のため、そして家族のために、数ヶ月間の休みを挟むという、いわば「間欠泉的キャリア」である。
・需要が供給を上回る仕事を選ぶことのメリットは非常に大きく、それだけの努力をする価値は十分にある。
・大事なのは「資格の有無」ではなく「市場のニーズの有無」である。
■海外で働く若者たち
・大企業にとっての海外進出は、大規模な予算と覚悟が必要となる大げさな決断だが、若い人にとっての「アジアで売る」「アジアで働く」は自然なものになりつつある。
・アジアには、日本にいてはもはや味わうことのできないダイナミズムや成長感がある。
■ミニマムに暮らすという選択
・おおざっぱに言うと、一生に必要な費用は4つ
1)基礎生活費
2)住宅購入費
3)育児、教育費
4)老後費用
・今までは、一生懸命働き、よりたくさん稼ぎ、より豊かな生活を目指すことが一種の常識でした。しかしこれからは、必要生活費をできるだけ抑え、働く期間を最短化するという逆転の発想で人生を設計することも、一つの選択肢となる。
■「働くこと」の意味が変わる
・これからの仕事、そして「働くこと」とは、「人生におけるすべての欲求を満たしてくれる土台となるもの」ではなく、「人生にとって重要なもののひとつ」といういいづけに変わる。「仕事=人生の土台」などという世界観を、全員が共有できる時代はすでに終わってしまっている。
■まとめ
バブル崩壊後の就職氷河期に入社した我々30代半ば世代も、バブル入社の方たちとはかなり違う存在でした。
資格ブームや公務員ブームなどもあり、自分の身を守るために安定する仕事を選ぶということが特徴だったと思います。
バブル経験者が大企業に入社することで「たくさん稼ぎたい」という思考だったのに対し、我々の世代は大企業に入社したり公務員になり「安定した暮らしがしたい」という思考をする人が多かったように思います。
先日新聞に大卒後のニート人口が過去最高を記録したとありましたが、今の若者にとって就職というものがたくさん稼ぐ手段や将来の安定した暮らしのための手段であるという概念は全くないと思います。
我々が就職した時代よりもさらに悪化した経済状況を鑑みると、「仕事=人生の土台」という考え方にはなれないのも納得のいく話です。
必要生活費を最小に抑え、たとえ給料が安くとも自分が社会に必要とされる仕事をしたいという価値観に変わってきているのですね。
我々ももはや逃げ切れない世代であるので、仕事の価値観や人生に対する考え方を変える節目に来ているように感じますね。