対話力−「断言しよう、人生は変えられるのだ。」


できるだけ自分からしゃべらない

・対話と言うと、まず思い浮かべるのは「どう話すか」ということだと考える人がいる。しかし、実は重要なことは話すことではない。聞くことだ。

・人間は自分自身のことをよくわかっていないのだ。自分自身を理解しているとは、限らないのである。

・口に出した瞬間、自分は何に悩んでいるのかが、わかるときがある。
これは書くことでも同様で、文字を見た瞬間、自分の心の中の状態が分かることがある。話したり書いたりすることは、自分を客観化する一つの方法なのだ。

・重要なことは話すことではない。聞くことだ。しゃべることは危険であり、不利なことでもあるのだ。

 

相手の話を遮らない、知ったかぶりしない

・言葉を聞きながら、目線で相手を感じる。
見るということを含めて、相手を深く飲み込み、吸収する。包み込むという感覚で相手を理解しようとする。その姿勢、そのオーラが、本当の意味で相手と自分との間での信頼関係を築き上げることになる。

・聞くことは観察すること。語ることは観察されること。

・会話においては、相手が輝くための舞台を自分自身が演出するという心構えを持っておくことが大切だ。
相手が特別であって、その特別な相手を最高に演出するために自分に何ができるか、という意識を持つ。

 

どうでもいいことは言わない

・深くは聞くが、鵜呑みにはしない。人の意見というのは、味わうものである。深く味わうことは大切だが、鵜呑みにする必要は必ずしもない。

・話す量を意識的に少し減らすことで、結果的に自分自身が語る一つひとつの重みが変わってくる。

 

言いたいことをワンフレーズで表現する

・世の中の現象は複雑で、全て記述しようとすると、本が何万ページあっても足りないものだが、それをワンフレーズに落とすことができるかどうか。
本質を見極めることができるかどうか。その訓練をするといい。

・自分が時間やエネルギーを配分したあらゆる体験に対して、思索を加え、自分の言葉に落としていく。
体験に思索を加えると、洞察になっていく。その洞察を書き残していくと、それがいずれ自分の哲学の素材になっていく。

 

議論に値しない人とはぶつからない

・議論をすることは大事だが、議論をする相手は慎重に選ぶことが大切だ。

・無知な人がしたり顔で議論しているときにも、平然といられることが賢者の姿勢であり、それが威厳をつくる。
時には、じっとされるがままにしているということだ。それはある意味では勇気であり、強さの証明でもある。

 

あえて語らないことも対話力の一つである

・語りたいことはたくさんあるけれど、あえて語らない、ということがあっていい。
意識的な選択として、沈黙を守るというのは、ある種の美学でもある。

・善悪は、強さがないと貫くことが極めて難しいものだ。
心が善であっても、それを守り抜く強さがないために、結果的に悪に加担してしまうということを忘れないようにしよう。
だからタダのいい人になってはいけない。

 

まとめ

自分の意見を持ち主張を通すことが自分軸を持つということと誤解している人もあるでしょう。

本当の絶対不可侵たる自分領域を持つということは対話力を高めること。
対話力とはいわゆるプレゼン力とか言葉による説得力ではない。

聴く力だ。
相手の話す言葉を全身で味わいながら受け止める。
途中でこちらの主張を入れたくなってもあえて沈黙を保つ強さ。

全く自分の主張を挟め得ない状況の中でもじっとこらえて余計なことを言わない。
それこそ対話力なのではないかと感じます。

議論をすべきでない相手と議論をしても不毛なだけである。
それならば、沈黙を通し相手の言葉を受け止めて、主体的に自分なりの解釈を加えて行動をするほうが前向きではないでしょうか。